福岡・平尾の高宮通りに佇む、2017年5月にオープンした和食店「しらゆき」。
コンクリートのモダンな奥まった通路を進むと奥にひっそり暖簾がかかっている。暖簾をくぐるとそこにはオープンスタイルの厨房で勤しむ店主の姿がある。
かたくなり過ぎず、気軽に来てほしいとの想いを込めた店づくりは、ゆったりとした外の空気を感じられる空間に仕上がっている。
店までの奥まった通路を進む高鳴りと、窓が大きくとられ開放的にさえ感じる店内の空間が訪れるゲストを愉しませてくれるだろう。
店主は、鹿児島の阿久根市出身の花木 慎司(はなき しんじ)氏。両親が営む「魚処しらゆき」は地元で長年愛されている食事処だ。花木氏自身は、福岡の大学へ進学。福岡で過ごす間、ごく自然に料理人として生きていくビジョンを自身の中で見出し、仕事として生かすことを決意する。中洲の「日本料理石田」をはじめ、福岡県内のホテルや会員制のレストランなど様々な店を巡り、和食の料理人として15年間修行を重ねた。
魚介類は、故郷である鹿児島・阿久根港から水揚げされた新鮮なものを直送している。コース料理の中で、料理の基となる出汁が主役となる椀物は、魚の骨を焼き、三時間火にかけてじっくりと旨みを引き出している。魚を知り尽くした店主が見極めた味わいを感じることができるだろう。
しらゆきでの提供はコースのみ。お客さんの要望には臨機応変に応えていきたいと語る花木氏。
店主の故郷である自慢の魚料理たち。今宵は、美しく、ちょっと贅沢な和のコースに舌鼓をうってみてはいかがだろう。
writer Chie