本物の一杯を、普段使いに
店の並びに、西洋の童話にでてくるアンティークな佇まい。余りにもしっくりと馴染んでいて、まさかここが知る人ぞ知るバーだとは誰も思わないだろう。「Reserve(レゼルヴ)」には看板は無く、夜に軒先の足元に店名がぽつんと灯るのみ。ブルゴーニュやボルドーに深く特化した店は、同じく造詣の深い本物を求めるゲストの憩いの場となっている。
店主は、瓜生靖雄(うりゅうやすまさ)氏。洋の料理の世界に携わるうち、ワインの魅力にはまり込み自身の店を持つに至った。
レゼルヴで出される一杯。グラスは全てフランスの一流クリスタルブランドであるバカラのものだ。各ジャンルにつき店主がセレクトし限定した、最高峰しか置いていない。例えば、ワインはブルゴーニュとボルドーのみ。選び抜かれた銘柄のみを、徹底して深く掘り下げ楽しませてくれる。
温もりを感じる内装は、歳月をかけて店主が一つひとつペンキや梁など作り上げていっており、今なお進化中という。調度品もアンティークで統一されており、ソファー席ではまるで現在の時の流れを忘れさせてしまう錯覚を覚えてしまうほどだ。
オープンは21時から。1日の終わりの静寂な夜に、ふっと立ち寄ってみてほしい。あなたの一息つけるとっておきの場所が見つかるかもしれない。
writer Chie