福岡・渡辺通りから路地を入り、様々な飲食店がひしめく西村ビルの5階。ウイスキー通を満足させてくれるお店「BAR LEICHHARDT(バー ライカード)」がある。店内は上質を知る大人が寛げる仕様になっている。ゲストが一番長く居る場所だからと語るオーナーこだわりの楠木の10mカウンターがライトの下に悠然と艶めいている。
オーナーは住吉 祐一郎(すみよし ゆういちろう)氏。住吉氏とウイスキーとの出逢いは、少年時代に遡る。とある文献に載っていたウイスキーの記述。その記憶はしっかりと刻まれ、大人になったらいつか飲んでみたいと思わせた。そうして時がたち、満を持してバーのドアをたたいた。初めてのウイスキーとの対峙は、あまりに強烈なものだったと云う。その印象的な出逢いを経て、ウイスキーに魅せられ、時間をかけ全国各地のバーを渡り、独学でウィスキーを極めていった。
住吉氏が所有しているのは、およそ3,000本。国別、地域別に美しく並べられた圧巻のボトル達は、ウイスキーの産地として知られるスコットランドを中心に、地方別・カテゴリ別に、他諸国のウイスキーが揃う。
究極の嗜好品ともいえるウイスキー。ウイスキーをのむことは、歴史をのむこと、とも語る住吉氏。一言では語りつくせないそれぞれが持つ歴史の数々。そして、誰にでもある過去を振り返る時・・・一人でそっと自身を見つめ直し、静かにお酒に向き合う時。長い時を経て醸造された深みのあるウイスキーは、共に振り返ってくれる究極の相棒といえる存在かも知れない。
良いものを知る、時間を愉しむ大人たちが集う場所ライカード。英語にて対応可なので、海外からのゲストも多く、日本で上質なウイスキーが愉しめると観光客に人気のスポットとなっている。もちろん初心者も大歓迎。住吉氏自身が経験したからこそわかる、大切なウイスキーとのファーストコンタクト。きっと美味しく、印象深い出逢いをもたらしてくれるはずだ。
writer Chie