福岡・中央区春吉、那珂川沿いの通りより一本入った静かな通りに「日本酒バー 雲レ日(くもれび)」がある。ドアを開けるまで中がわからない造りから、最初はドキドキしてくるゲストも多い。朗らかなスタッフと明るい店内にほっとする。
オープンは2008年。実は福岡は、全国でも有数な酒米の生産地。当時、九州といえば焼酎のイメージが強く、日本酒を飲める場所がなかった。そこでお店がなければ作ろう、そこで日本酒の美味しさを広めたいとの想いから生まれたのが始まりだ。
店長は大分県出身の四丸 美佳(しまる みか)氏。もともとは、自身が雲レ日に客として訪れたのがきっかけだ。そこで日本酒の底知れぬ魅力と出会い、日本酒について学びスタッフとして務め、やがてお店を任されるようになった。
天職だと思ってます、と朗らかに笑う四丸氏。
今では店に仕入れる日本酒全てをテイスティングし、店長としてスタッフと共にゲストをもてなす日々を過ごしている。
雲レ日では、一升瓶一本ずつのみの仕入れなので、今店にある銘柄はほとんどがその時だけの旬の出逢いとなる。固定概念なく、味わいを自由に楽しんでもらうため、全国各地より幅広く取り揃えている。
バーとしては珍しい比較的明るい空間と和やかな雰囲気のもと、若い世代からも支持を受ける雲レ日。店内に飾られたグラスたちは、好きなものを選んで飲むことができるのでリクエストしてみて。日本酒の味わいもきっと深まるはず。また、手作りのおつまみも旬がわりで300円から用意しているのでこちらも楽しもう。
このお店で、日本酒が飲めるようになったという声が一番嬉しいと語る四丸氏。
日本酒自体をあまり飲んだことがない人にも、好みに合わせた味わいを聞いて提案してくれるのでご安心を。常に新しい日本酒と出会える場所として通いたい専門店だ。
writer Chie