天神からちょっと離れた春吉の街。福岡のにぎわう店はいたるところに点在している。あかみやこうしのエントランスはちょっと屈んで一人ずつ進む。レトロな風合い音楽が気分を高めてくれる。オーナーは福富康馬(ふくとみこうま)氏。赤身肉専門店で携わる中で、赤身のもつ美味さに出会い、もっと肉を美味しくする方法を突き詰めていき「熟成」に出会った。
肉の究極の美味しさを生み出すためのこだわりは、熟成に対する徹底した取り組みから一目瞭然だ。一般的に肉の流通は鮮度を保つため真空パックが基本だが、熟成のための菌の反応を促すため真空にすることなく、仕入れてからすぐに専用施設に搬入し、熟成をかけている。ちなみに仕入れる肉は、なんと枝肉の大きな塊のまま!本来のもつ自然の活きた酵素は骨から外した瞬間から死んでしまうからだ。枝肉のサイズで熟成をした牛肉を味わえるのは、福岡でもあかみやこうしのみといえるだろう。
主に、九州産の肥育された牛を提供しており、ドライエイジングでじっくりと約30~60日かけて熟成された肉質は、余分な水分がとばされ絶妙に身がしまり、旨味が凝縮され芳醇な風味をもつ。
味わえばわかる、洗練された職人技と肉質は、思いきり頬張りたいゲストに喜ばれている。プロの火入れにも注目、美しく完成されるまでの行程をとくとご覧あれ。
writer Chie